ここ数か月、川崎のフリーペーパーの仕事で、フロンターレのホームゲームに行かせてもらっていますが、等々力競技場までの道を歩くたび、フロンターレの地域密着具合に感心します。
自宅が新横浜にあるため、普段は東急東横線の菊名から武蔵小杉まで出て、徒歩で競技場に向かいます。時間に余裕のある時には、新丸子やJR南武線の武蔵中原からも歩いて行ったりもします。
クラブが来場者を見込んで、告知や招待といったマーケティング活動を行うエリアの中でも、やはり最も力を入れるのは、試合会場にアクセスしやすい競技場の周辺地域です。
等々力競技場最寄り駅の武蔵小杉、新丸子、武蔵中原の駅前はもちろん、競技場までの道のりでは、ポスターやフラッグ、自動販売機、さらには診察時間や休診日などが書かれた病院の案内表示にいたるまで、フロンターレをいたるところで目にすることができます。
そのことだけでも、この街にフロンターレが存在することがわかりますし、地域に深く浸透していることが伺えます。
キャパ2万5,000人(実質2万3,000人)の等々力競技場に、毎試合1万5,000~2万人のサポーターを安定して集客できているも、競技場にアクセスしやすい周辺住民を動員できているからでしょう。
以下はJ1の観客動員データです。
☆2011年度J1観客動員数(第24節終了時) ※Qolyから引用

観客動員上位4チームのうち、川崎フロンターレは最多動員数と最少動員数の差が6,936人と最少。この数値はJ1全18チームにおいてもトップです。もちろん、収容能力の上限が低いという理由がありますが、それを鑑みても最少動員数13,111人はJリーグの現状では立派な数字です。
一方、平均観客動員数3位の横浜F・マリノスはどうでしょうか。
7万2000人を収容できるスタジアムで7,104人という最少動員数を記録してしまっています。最多動員数と最少動員数の差も、2万6,332人と大きく、対戦チームや気候といった外的要因によって、ずいぶんと左右されがちです。何より、最多動員数の3万3,436人でも収容キャパの半分以下です。
これでは常に空席が目立ち、満員のスタジアムの雰囲気を作り出すことができず、サッカーのサポーターではない初観戦の来場者が、サッカー観戦の迫力や一体感といった醍醐味を体感することが難しくなるのではないでしょうか。
横浜F・マリノスの場合、他チームに比べ地域密着活動に遅れをとっているのが現状で、これは一昨年、取材したホームタウン普及部長も認めているところです。
ただ、ここ数年で地域活動に力を入れ始め、地域のお祭りやイベントにも積極的に足を運んで連携をとろうとしていることもまた事実です。365万人の人口を抱える横浜市での活動は、その規模の大きさゆえ、難しさもあるだろうと思われます。
しかし、まだ出来るはずのことが出来ていないというのが現状です。
というのも、冒頭で触れましたが、私は横浜Fマリノスのホームゲームが行われる日産スタジアムのある新横浜に住んでいます。もう4年目です。
ポスターやフラッグをはじめ、マリノス関連のものを目にする頻度が極めて少なく、日常生活でほとんど目にすることはありません。周辺地域の菊名、大倉山や綱島では、商店街で多少フラッグが掲げられていることがありますが、それでも「この街にはFマリノスがある」と感じられるほどではありません。さらにいえば、日産スタジアムのある港北区は、横浜市内最大の人口を誇るので、正直もったいないなと思います。
クラブの周辺地域への浸透度、これこそが、安定的な観客動員数を維持する川崎フロンターレと横浜Fマリノスの決定的な違いです。
横浜Fマリノスは早急に港北区内での露出を増やしていくべきではないでしょうか。
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